頻尿と尿もれ

尿のトラブルでお困りの方は非常に多いとされていますが、なかなか言い出しにくい、どこへ行けばよいのかわからない、ということも多いのではないでしょうか。
次に挙げる3つの項目に、1つでもあてはまるものがあれば、一度当院にご相談いただければと思います。

  • 尿をする回数が多い
  • 急に尿がしたくなって、がまんが難しいことがある
  • がまんできずに尿をもらすことがある

夜間の尿の回数が多くて熟睡できない方、尿のために外出やバス旅行などを控えるなど、日常生活に制限がある方も是非ご相談下さい。

頻尿

同じ頻尿でも、男性と女性の場合で、原因も治療方法も異なります。

男性の場合

50歳以上の男性の場合、頻尿の原因として最も多いのは前立腺肥大症です。
前立腺は精液の一部をつくる臓器ですが、年齢とともに大きくなり、頻尿のほか、残尿感、排尿困難などをきたします。また、急に尿に行きたくなり、がまんすることが難しくなる(尿意切迫感)ようになります。
前立腺肥大症では、尿の通りを良くする薬や、頻尿を抑える薬を組み合わせて症状を軽くすることが可能です。

このほか、慢性前立腺炎や過活動膀胱、膀胱がんなどでも同じ症状が生じることがあり、きちんと診断を行ってから治療したほうがよいと考えられます。

前立腺肥大症イメージ

女性の場合

女性の場合、膀胱が過敏になる過活動膀胱で頻尿となる場合が多くみられます。
過活動膀胱は、原因不明の病気ですが、主に中年以降の女性に多くみられます。あまり尿を貯めることができなくなり、また、急に尿に行きたくなり、がまんすることが難しくなる(尿意切迫感)ようになります。最近はこれらの症状を抑える薬が数多く開発され、有効性も高くなっています。さらに、当院では低周波による刺激治療も併用が可能です。薬だけでは効果が不充分な患者さんにも対応しています。

また、間質性膀胱炎でも同じ症状が生じることがあります。
間質性膀胱炎はアレルギーによって膀胱の壁が硬くなる病気です。頻尿と尿を貯めたときの膀胱や下腹部の痛みが特徴的です。頻尿を改善する内服治療のみでは充分な効果がないことが多く、当院では膀胱に直接薬を入れる方法や、低周波による刺激療法を行っています。
過活動膀胱としてすでに治療を受けている方で、なかなか効果が得られない場合は、間質性膀胱炎をうたがってみるのがよいと思います。

このほか、膀胱がんや慢性膀胱炎でも同じ症状が生じることがあり、きちんと診断を行ってから治療したほうがよいと考えられます。

過活動膀胱イメージ

尿もれ

中年以降の女性では、おなかに力を入れたときや笑ったりしたときに尿が少しもれてしまうことが多いとされます。
出産経験の多い方や婦人科手術を行った方ほど生じやすいとされます。この場合、尿のもれを抑える薬により症状が改善することが期待できます。

また、骨盤底筋体操(尿の出口を締める力を強くする体操)や低周波による刺激療法も有効であり、併用することにより改善を実感し、治療への意欲を高めるようにしています。

低周波による刺激療法

低周波刺激装置

低周波刺激により膀胱・尿道の筋肉を活性化し、その機能を高める治療です。
頻尿・尿もれに対しすぐれた効果があり、副作用もないため、広くおすすめしています。着衣のまま治療を行うことができ、1回20分間程度の治療時間で、最初の3週間は週2回、そののちは2週間に1回程度行います。
治療は保険が適応されます。
だいたい2~3ヶ月を目安に行いますが、状態をみて、相談しながら治療期間を決定します。